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日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点   山岸 俊男

定価:¥ 1,680 (税込み)
価格:¥ 1,680 (税込み)

メディア :単行本
出版社等:集英社インターナショナル
著者:山岸 俊男

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ユーザーレビュー
安心≠信頼 (2008-12-30)】
「そうなのか!人間社会って面白い!」というのが読書後感想です。これみんなに読んでもらいたい1冊ですね。人間の心を研究している心理学。その人間が集まったときに何が起きるのかを研究したのが社会心理学。『人は「得」がないと行動を起こさない』とずっと疑問に思ってきたことがすべて解決してしまったのです。安心社会=統治の社会=閉鎖社会=武士道信頼社会=市場の社会=開放社会=商人道そしてこの二つは決して交わることのできない相反する社会なのだ。資本主義も最初は信頼社会であったのが、気づいたら安心社会になっていた。だからこそ崩壊していくことになるのではなかろうか。さらに世の中は「信頼社会」に移行していくことが予想されます。「信頼社会とは何ぞや?」と思った方はぜひ本書を読んでください。これからの時代の福音となる1冊です。


歩けますか? (2008-12-09)】
時あたかも金融危機のあおりを受けた派遣労働者削減のニュースをたびたび耳にする昨今、本書の内容を、胸にひしひしと迫るものを感じつつ読了しました。筆者は締めくくりで執筆の動機について、安心社会から信頼社会へとシフトチェンジが起こりつつある(と仮定する)日本の状況に、実は日本人は間に合わないのではないか・・という危機感を挙げておられるのですが、まさにテレビの中で「我々にも年を越させてください」と涙ながらに叫ぶ派遣の人々の様子を予見されていたような御指摘です。もちろん彼等が愚かで弱いわけではないのです。しかしながら、来るべき信頼社会を生き抜くためのツールが、この混沌のさなか安心社会の住人であった彼等=我々の「心の道具箱」から、そんなに性急に見つかるはずもなく・・安心社会が未成熟で劣っているわけでもなければ、信頼社会に僥倖ばかりが待ち受けているわけでもない。ただ、性質の異なるふたつの社会システムがあくまで「同等に」存在する・・という考え方は、兎角日本社会の「後進性」のみか又は優れた点ばかりを主張したがる風潮とは一線を画し、好感が持てます。(・・もっとも、本書における信頼社会のデメリットについての記述は、実はあまり見受けられないのですが・・信頼社会たる今のアメリカが果たして住み良い環境かと問われると・・)率直な感想を述べれば、シフトチェンジの過程で生じている今現在のこのカオスの中に身を置き続けることを、果たして今の我々がどこまで耐え得るのだろうか、という疑問が拭い切れません。急速な変化は多くの犠牲を免れ得ず、また信頼社会の構築がそう一朝一夕に叶うものでもない・・そしていまの、あの「安心」を求める叫びは、去り行く時代への未練というにはあまりに痛々しい印象を受けます。信頼社会の為の備えの必要性を頭では理解しつつも、実際にはまだどこか無意識の内に社会に「安心」を期待してしまう・・というのがおそらくは現時点での我々多くの日本人が置かれた分裂症的な状況ではないでしょうか。筆者の懸念の通り、シフトチェンジが滞ってこのままカオスが拡大していくとなると・・まずはなによりも「自分自身への信頼」を造ることから始めなければ・・いま混沌の中立ち尽くす我々は、一体どこへ向かうのでしょうか。


「常識」を心地よく覆してくれる (2008-06-18)】
日本人は集団主義的だというのが常識になっているが、詳しく調べると、むしろアメリカ人よりも個人主義的であるという実験結果には、驚かされるとともに、納得もいった。確かに、僕らは、本質的に集団主義的なのではなく、そのように行動しないと損をする社会だから、仕方なく集団主義的に振る舞っているだけなのだろう。ここ10年ほどで、日本の集団主義的社会がかなりの程度解体してしまったにも関わらず、相変わらず従来通りの行動を続けてしまっていることに、現在の日本社会の問題を見出し、それを抜け出して「信頼社会」に向かうにはどうしたらいいのか、を著者は探っている。最近強調されがちな、「品格」だの「武士道」だの、更には教育再生のようなものはむしろ逆効果であるというのが結論で、むしろ大事なのは、「市場の倫理」だという。そうして、その方向へ進む人の割合が「限界質量」に達すれば、雪だるま式に社会全体がそうなっていくだろうという。このあたりの論理展開には見事としか言いようがない。将来の社会について、明るい未来への道筋を見せてくれているという点で、読んでよかったと思わせてくれる本だ。






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